○京都府市町村職員退職手当組合監査基準
令和2年3月27日
京都府市町村職員退職手当組合訓令第1号
京都府市町村職員退職手当組合監査基準を次のように定める。
京都府市町村職員退職手当組合監査基準
目次
第1章 一般基準(第1条―第6条)
第2章 実施基準(第7条―第13条)
第3章 報告基準(第14条―第18条)
第4章 補則(第19条)
附則
第1章 一般基準
(監査委員が行う監査、検査、審査その他の行為の目的)
第1条 京都府市町村職員退職手当組合監査委員(以下「監査委員」という。)が行う監査、検査、審査その他の行為は、当該組合の事務の管理及び執行等について、法令に適合し、正確で、経済的、効率的かつ効果的な実施を確保することを目的とする。
2 監査委員は、この基準に従い公正不偏の態度を保持し、正当な注意を払ってその職務を遂行する。
3 監査委員は、監査により自ら入手した証拠に基づき意見等を形成し、結果に関する報告等を決定し、これを議会、組合長及び関係のある委員会に提出する。
(1) 財務監査 財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理が法令に適合し、正確で、最少の経費で最大の効果を挙げるようにし、その組織及び運営の合理化に努めているか監査すること。
(2) 行政監査 事務の執行が法令に適合し、正確で、最少の経費で最大の効果を挙げるようにし、その組織及び運営の合理化に努めているか監査すること。
(3) 決算審査 決算その他関係書類が法令に適合し、かつ、正確であるか審査すること。
(4) 例月出納検査 会計管理者等の現金の出納事務が正確に行われているか検査すること。
(5) 基金運用審査 基金の運用の状況を示す書類の計数が正確であり、基金の運用が確実かつ効率的に行われているかどうかを審査すること。
2 法令の規定により監査委員が行うこととされている監査、検査、審査その他の行為(監査等を除く。)については、法令の規定に基づき、かつ、この基準の趣旨に鑑み、実施するものとする。
(倫理規範)
第3条 監査委員は、高潔な人格を維持し、誠実に、かつ、この基準に則ってその職務を遂行するものとする。
(独立性、公正不偏の態度及び正当な注意)
第4条 監査委員は、独立的かつ客観的な立場で公正不偏の態度を保持し、その職務を遂行するものとする。
2 監査委員は、正当な注意を払ってその職務を遂行するものとする。
(専門性)
第5条 監査委員は、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有することが求められ、その職務を遂行するため、自らの専門能力の向上と知識の蓄積を図り、その専門性を維持し、及び確保するため研鑽に努めるものとする。
2 監査委員は、監査委員の事務を補助する職員に対し、監査委員の職務がこの基準に則って遂行されるよう、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関して、自らの専門能力の向上と知識の蓄積を図るよう研鑽に努めさせるものとする。
(質の管理)
第6条 監査委員は、この基準に則って、その職務を遂行するに当たり求められる質を確保するものとする。
2 監査委員は、監査委員の事務を補助する職員に対して、適切に指揮及び監督を行うものとする。
3 監査委員は、監査計画、監査等の内容、判断の過程、証拠及び結果その他の監査委員が必要と認める事項を監査調書等として作成し、及び保存するものとする。
第2章 実施基準
(監査計画)
第7条 監査委員は、監査等を効率的かつ効果的に実施することができるよう、リスク(組織目的の達成を阻害する要因をいう。以下同じ。)の内容及び程度、過去の監査結果、監査結果の措置状況、監査資源等を総合的に勘案し、監査計画を策定するものとする。
2 前項の監査計画には、監査等の種類、対象、時期、実施体制等を定めるものとする。
3 監査委員は、監査計画の前提として把握した事象若しくは状況が変化した場合又は監査等の実施過程で新たな事実を発見した場合には、必要に応じて、監査計画を修正するものとする。
(リスクの識別と対応)
第8条 監査委員は、監査等の対象のリスクを識別し、そのリスクの内容及び程度を検討した上で、監査等を実施するものとする。
(内部統制に依拠した監査等)
第9条 前条のリスクの内容及び程度の検討に当たっては、内部統制の整備状況及び運用状況について情報を集め、判断するものとする。
2 監査委員は、監査等の種類に応じ、内部統制に依拠する程度を勘案し、適切に監査等を行うものとする。
(監査等の実施手続)
第10条 監査委員は、必要な監査等の証拠を効率的かつ効果的に入手するため、監査計画に基づき、実施すべき監査等の手続を選択し、実施するものとする。
(監査等の証拠入手)
第11条 監査委員は、監査等の結果を形成するため、必要な監査等の証拠を入手するものとする。
2 監査委員は、監査等の証拠を評価した結果、想定していなかった事象若しくは状況が生じた場合又は新たな事実を発見した場合には、必要に応じて、監査等の手続を追加して必要な監査等の証拠を入手するものとする。
(各種の監査等の有機的な連携及び調整)
第12条 監査委員は、各種の監査等が相互に有機的に連携して行われるよう調整し、監査等を行うものとする。
(監査専門委員との連携)
第13条 監査委員は、必要に応じて監査専門委員を選任し、必要な事項を調査させることができる。
2 監査委員は、監査等の実施に当たり、効率的かつ効果的に実施することができるよう監査専門委員との連携を図るものとする。
第3章 報告基準
(監査等の結果に関する報告等の作成及び提出)
第14条 監査委員は、財務監査及び行政監査に係る監査の結果に関する報告を作成し、議会、組合長及び関係のある委員会に提出するものとする。
2 監査委員は、前項の監査の結果に関する報告については、当該報告に添えてその意見を提出することができるとともに、当該報告のうち特に措置を講ずる必要があると認める事項については勧告することができる。
3 監査委員は、例月出納検査の結果に関する報告を作成し、議会及び組合長に提出するものとする。
4 監査委員は、決算審査及び基金運用審査を終了したときは、意見を組合長に提出するものとする。
(監査等の結果に関する報告等への記載事項)
第15条 監査等の結果に関する報告等には、原則として次に掲げる事項その他監査委員が必要と認める事項を記載するものとする。
(1) この基準に準拠している旨
(2) 監査等の種類
(3) 監査等の対象
(4) 監査等の着眼点(評価項目)
(5) 監査等の実施内容
(6) 監査等の結果
4 監査委員は、是正又は改善が必要である事項が認められる場合、その内容を監査等の結果に記載するとともに、必要に応じて、監査等の実施過程で明らかとなった当該事項の原因等を記載するよう努めるものとする。
(合議)
第16条 監査等のうち、次に掲げる事項については、監査委員の合議によるものとする。
(1) 監査の結果に関する報告(財務監査及び行政監査に係るものに限る。以下同じ。)の決定
(2) 監査の結果に関する報告に添える意見の決定
(3) 監査の結果に関する報告に係る勧告の決定
(4) 決算審査に係る意見の決定
(5) 基金運用審査に係る意見の決定
2 監査委員は、監査の結果に関する報告の決定について、各監査委員の意見が一致しないことにより、前項の合議により決定することができない事項がある場合には、その旨及び当該事項についての各監査委員の意見を議会、組合長及び関係のある委員会に提出し、及び公表するものとする。
(公表)
第17条 監査委員は、次に掲げる事項を監査委員全員の連名で公表するものとする。
(1) 監査の結果に関する報告の内容
(2) 監査の結果に関する報告に添える意見の内容
(3) 監査の結果に関する報告に係る勧告の内容
2 前項の公表は、京都府市町村職員退職手当組合公告式条例(昭和38年条例第2号)の例によるものとする。
(措置状況の公表等)
第18条 監査委員は、監査の結果に関する報告を提出した者及び監査の結果に関する報告に係る勧告をした者から、措置の内容の通知を受けた場合は当該措置の内容を公表するものとする。
2 監査委員は、監査の結果に関する報告を提出した者及び監査の結果に関する報告に係る勧告をした者に、適時、措置状況の報告を求めるよう努めるものとする。
第4章 補則
(補則)
第19条 この基準に定めるもののほか必要な事項は、監査委員が協議して別に定める。
附則
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。